若きチェリストの憂鬱/神奈木智

チェロの腕はいいのに感情表現が苦手という演奏家としては致命的な弱点を持つ宮原奏都は、両親を亡くし、援助を受けてチェロを続けてきた。そんな奏都が、チェロをやめたいと話すと今まで会おうとしなかった援助者・三条睦巳は急に会いたいと言ってきた。更には、チェロをやめたいなら通っている音大付属校のオーケストラに入ることが条件と言われてしまい、ピアノ科の親友・藤沢理多とともに伊集院遥という元ピアニストのもとでレッスンを受けることになるのだが・・・。仏頂面で口が悪い遥は、何を思ったか貴重なチェロであるゴフリラーを奏都に弾かせてみると・・・。
音楽物の長編作品。奏都の周りには謎がいっぱいのストーリー。なぜ睦巳は奏都を援助しているのか? 伝説の名器・ゴフリラーを持っている遥とは何者なのか? 親友・理多が恋した相手とは? そして両親の葬式でチェロを「弾いてごらん」と言ったのは誰だったのか? ラストにはこういうことだったのかという展開が待ち受けています。単なる恋愛物というのも好きですが、こういった謎めいたストーリーが明らかになっていくという話は結構好きです。お気に入りのキャラとしては、同じチェロ科の男子・石岡ですね。人懐っこくていい感じですv
二宮イラストとしては、無愛想な奏都がわりと好きです。黒のスーツをビシッと着こなしてチェロを奏でる姿は、やっぱりカッコいいですね☆
【イラスト:二宮悦巳】
キャラ文庫(か 3-17)
ISBN978-4-19-900471-1

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理髪師の、些か変わったお気に入り/榎田尤利

青山の美容室での修業期間を終えて、しぶしぶ帰郷した相生晴輝。そこで目にしたのは、海洋学を学ぶと言って街を出た親友の高取圭治が実家の理髪店を継いでいる姿だった。そんな時、晴輝の姉・輝美が妊娠し、その相手が高取だと知った晴輝は・・・。
更には、晴輝の青山時代の友人・手塚孝実がやってきて、しばらく街に滞在することになったのだが・・・。
幼なじみものでほのぼのしたストーリー。結構お気に入りの作品です。いいところもイヤなところも知った上で好きになってもらえるって憧れです。「藤井沢商店街シリーズ」の完結編なので、過去の榎田作品のキャラが所々に登場します。そういった繋がりって楽しいですね。個人的には、圭治がお気に入りです。まさか圭治があんなことになるなんて・・・。同情してしまいます。晴輝の独占欲がよく理解できてしまう自分がちょっとイヤだったりもしますがww
二宮イラスト、圭治は結構好きですが、晴輝はあんまり好きじゃないかな・・・。昔の作品のように線の細いほんわかした二宮イラストがお気に入りだったりします。
【イラスト:二宮悦巳】
徳間キャラ文庫(え 1-5)
ISBN978-4-19-900485-8

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天国への階段/ふゆの仁子

DNAやヒトゲノム、クローンや体外受精といった生物学用語が次々と出てきてかたっくるしく、出だしから暗いストーリーに少々ウンザリしながら読み進めると、今度はペンチやアイスピックで爪を剥ぎ、血の海と化すような痛々しい残虐的な展開、更には凶悪犯に銃で乱射されて殺された両親の死肉を口に含まされるというグロテスクな描写やストーリーに気持ち悪くなり、何度も途中で読むのを止めようと思った作品。
書き下ろしの続編「天国の扉」で本編のフォローが多少されているものの、全く好きになれず、人にはオススメできない作品。殺人事件などが起きる推理小説ならまだしも、BLなのにとにかく残虐的。BLよりも残虐性の高い推理小説でも書いた方がいいのでは?と思ってしまいました。
二宮イラストで、血だらけになった状態でHするシーンが描かれるとは・・・。このシーン以外のイラストはいいのに・・・。残念すぎる1冊。
【イラスト:二宮悦巳】
ビブロス BE BOY NOVELS (BBN170)
ISBN4-88271-951-7

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ラブラブ・フォーカスみんな写して!/四谷シモーヌ

生徒会長の如月真昼は、立入禁止区域の体育館の裏庭で頭のいい転校生・日暮悠夜が他校の不良を伸しているところを見てしまった。正義感の強い真昼が先生に報告しようとすると、日暮は真昼の制服を脱がして両手を縛り、カメラを向けて脅迫するのだった。ここでの出来事を口外したら、この写真を学校中にバラまくと・・・。それでも強気の真昼は皆に日暮の本性を伝え回るが、誰も信じてくれず・・・。だが、幼馴染みの朝倉睦は日暮の過去を写真仲間から伝え聞き・・・。
序盤に「包○」「ザー○ン」などのH用語が登場し、終いには皮まで剥かれてしまうという展開にちょっと過激さを感じ、喧嘩シーンもある、好き嫌いが分かれる作品だと思われるが、全体的には穏やかな学園純愛ストーリーで、母子家庭の2人という設定だが、重苦しさを感じない作品。
【イラスト:二宮悦巳】
ビブロス BE BOY NOVELS (BBN283)
ISBN4-8352-1269-X

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16Beatで抱きしめて/青海圭

「G・ケルプ」シリーズの3冊目。
学年が1つ上がり、寮で飛鳥は1年生と同室になった。この1年生・草刈真夏の歌声に惹かれ、禄一郎はバンドのボーカルに誘うのだが・・・。
そんな最中、類がサッカーで足を怪我して病院へ。禄一郎は類の決意を今更ながらに知るのだった。息吹の父親の帰国や類の母・恵子との関わりなど、キャラクター1人1人のエピソードがしっかり盛り込まれた作品。ロックがテーマなだけに興味のない人にとっては抵抗があると思われる、BL度の低いシリーズ。仲間と一緒に何かをする楽しさや喜びを感じられるが、BL好きには少々もの足りない。イラスト、中はわりと好きですが、表紙の飛鳥があまり好きになれず残念。
【イラスト:二宮悦巳】
講談社X文庫 white heart(せC-03)
ISBN4-06-255336-8

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百万回のI LOVE YOU/青海圭

『水色のプレリュード』の続編。
親友の息吹の様子がおかしいことに気付いた禄一郎。成績優秀でコンピュータ部部長の彼の手には血豆があり、帰寮時間も12時近かった。クリスマスの夜、息吹は背が高くて体格のいい男と一緒に旅行にでも向かうところを見てしまった。彼はいったい誰?
そして今度は放送部部長で息吹に気のある令子が、類の妹・唯を息吹が抱いているのを見たと言い出した。類は動揺し、禄一郎は気になって仕方なかった。
その一方で、飛鳥の兄・浄観が禄一郎の前に現れ、飛鳥をバンドからはずしてほしいと言い出し・・・。
前作の続編で、禄一郎と飛鳥の関係を描く傍ら、息吹や類、令子など脇役にスポットライトが当たった作品。息吹、すごくいい奴です! 今回はお気に入りのサッカー部の陣ちゃんが全然出てこなかったのが残念です(>_<)
【イラスト:二宮悦巳】
講談社X文庫 white heart(せC-02)
ISBN4-06-255309-0

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水色のプレリュード/青海圭

音楽部の副部長・昆布谷禄一郎は海棠飛鳥のギターを聞き、自分が弾けなかった曲を、いとも簡単に初見で弾いてしまったことにショックを受けてしまう。そんな飛鳥が一緒にバンドをやりたいとやってきた。コンピュータ部部長の親友で、音楽音痴の岡部息吹をも巻き込んで、3人はロックバンド「G・ケルプ」を始める。
ある時、コンタクトを探す飛鳥の片目が水色であることを知った禄一郎は、キスしそうなほど飛鳥と接近してしまっていた。それを冗談めかして告げると「してもいいと僕も思った」と飛鳥に言われ、禄一郎は動揺してしまうのだった。
バンドの音が薄いことが気になった禄一郎はキーボードとして、小さい頃からピアノをやっていたというサッカー部の山形類に声をかけるが・・・。
前半の読者を意識した説明口調がちょっと気になるロックをテーマとした作品。イラストの禄一郎のイケメンっぷりと文章中の一人称「僕」が合わないと感じるのは自分だけだろうか?? この作品で、ラッコが大きなコンブにくるまって寝るということを初めて知りました。
【イラスト:二宮悦巳】
講談社X文庫 white heart(せC-01)
ISBN4-06-255285-X

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きみと千年廻恋/真船るのあ

高校1年生の小和田陸は、幼い頃から謎の男の夢を繰り返し見ていた。その男が突然目の前に現れ、同室で暮らすことに! その男は朱凰と名乗り、黒虎と白虎を連れていた。超美形の彼は陸がお気に入り。それは、陸が1000年前に実在した紅燕の生まれ変わりだからだと言う。陸の16歳の誕生日に身を潜めていた紅燕の記憶が甦り、陸は・・・。
生まれ変わりという「転生」をテーマにしたファンタジー。後半で様々なことが明かされるストーリーとなっていますが、なんだか無理やりこじつけたような感じを受けてしまったのも事実。この文庫で書き下ろされた続編「初でぇと」は、ほのぼのしていて微笑ましいストーリー。こんなデート、してみたいなぁと思わされました。二宮イラストがいい感じでピッタリです♪ タイトルは「きみとせんねんめぐるこい」と読むらしい。
【イラスト:二宮悦巳】
集英社コバルト文庫(ま8-3)
ISBN4-08-600659-6

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恋をしている君たちへ/麻生雪奈

親友の侑斗を意識し始めてしまった高校1年生のカナは、親友以上の関係にならないようにしていた。ところがカナが中学時代に千鳥という女子と付き合っていたことを知った侑斗は・・・。
その後の高校3年生になった2人を描いた「愛をユメみる僕たちは」では、彼らの進路問題が描かれる。家庭の事情から国立大を目指す侑斗と、理系科目が苦手で私立文系を目指すカナ。そんなカナはクラスメイトの菊池からショックなことを聞いてしまい・・・。
カナの従姉妹の華や、侑斗の兄・翠、華の一人息子・真稀などカナと侑斗の周りには個性豊かなキャラぞろい。ストーリーも楽しめるんですが、カナと侑斗の関係が難しくてかたっくるしい。読むのにやたらと時間がかかってしまった作品。初めから両想いだということはわかっているのに、まどろっこしくて。2人の心の中を描いた部分がすんなりと受け入れられなかったせいなのかもしれません。イラストは二宮作品らしく、とてもいい感じでした。特に「愛をユメみる僕たちは」に出てくる翠がカッコよかったです♪
【イラスト:二宮悦巳】
桜桃書房 ECLIPSE ROMANCE(エクリプスロマンス)
ISBN4-7567-1264-9

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世界で一番の恋をしよう!Ⅱ/麻生雪奈

両想いになったはずの高瀬いずみと八尋久志だったが進展もなく、いずみは久志に未だに「好き」だと言ってもらえなかった。不安を募らせるいずみの前に久志の元カノ・貴田鞠花が現れた。鞠花は、いずみの親友・本樹聖史郎の従姉妹でいずみとも親友同士だった。そんな鞠花が久志と話がしたいといずみに頼んできて・・・。一方、久志はいずみと生徒会長・篠原雅也の関係が気になっていた。そこに久志のクラスメイトでいずみとも関わりのありそうな志摩祥吾が登場し、2人の仲は引っ掻き回されてスレ違い始めてしまう。親友や幼馴染みに守られてばかりのいずみは・・・。
いずみの周りの友達はなぜか家族愛に恵まれぬ者が多いという設定。表向きの強さと裏の淋しさが入り混じった学園ラブストーリーで前作の続編で夏の出来事を描いた作品。親友・聖史郎の気持ちや幼馴染み・雅也との関係。そしていずみの過去や久志のプライベートなど前作で明らかになっていなかった点が明かされる。Hシーンありのシリーズ完結編。
好きな人に対して不安を抱いてしまう気持ち。勝手に悪い方に考えて、どんどん関係は悪化して。恋愛って簡単にはいかなくて、きちんと伝えなきゃ気持ちは伝わらないよな・・・と思わせる作品であるとともに、皆から守られてばかりいる立場というのもいいな・・・と感じましたw
【イラスト:二宮悦巳】
桜桃書房 ECLIPSE ROMANCE(エクリプスロマンス)
ISBN4-7567-0423-9

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